ダラダラと書いてたら3回目まで突入してしまいました。
今回で終わらせますんで、よろしければ最後までお付き合いください。
着色・仕上げの種類による分類
着色の方法だったり仕上げ方の違いで、同じ色の靴でも意外と違いが出たりします。
素仕上げ
タンニン鞣しの過程で着色を行わず、ロール掛けなどでツヤ出しのみを行った革のことです。いわゆるヌメ革ですね。
革本来の風合いだったりがそのまま活かされるので経年劣化を味わうにはもってこいですが、その分汚れや傷が目立つのが難点です。
革靴ではアッパーに使われることはあんまりなく、インソールやアウトソールに使われることが多いです。
染料仕上げ
文字通り染料を使って着色した革のことです。たぶんアニリン仕上げと同じだと思いまふ。
革に染み込ませて着色しているので、ヌメ革ほどではありませんが革本来の風合いなどがそのまま活かされた、透明感のある革に仕上がります。
ただし、革本来の風合いが残るということは原皮のトラや血筋もそのまま残るので、一般的にはキメ細かく質の高い革が使用される傾向にあります。
また染料仕上げが繊細な仕上げ方というのもあり、透明感はあるものの色落ちや水シミができやすいという難点もあります。雨に降られようものなら水シミができ、色ムラもできてしまいます。
そんなこんなで現在では完全なる染料仕上げはそう多くないようで、代替として少量の顔料を使って着色を安定させるセミアニリン仕上げなんてのも多いみたいです。
顔料仕上げ
文字通り顔料をつかって着色した革のことです。顔料というのはペンキみたいなもんだと思ってもらっていいと思います。
染料とは違い表面を塗装しているようなイメージなので、革本来の風合いはそんなに活かされません。
ただ、原皮のトラや血筋を隠すことができ、着色した際も色ムラが出来づらく、色落ちも少ないのでアッパーには多く使われています。
最近では技術の向上もあって、ある程度の透明感があるものもあるみたいですよ。
そもそも染料仕上げと顔料仕上げの靴なんて、我々素人からしたらよく見ないとわかりません。よく見ても分からないかもしれません。
ムラ染め
文字通り革にムラ感をつけて着色した革のことです。
ムラ染めの革には大きく分けて2種類あります。
1つは鞣す過程でムラ感のある着色を施すもの。こちらはタンナー問わずミュージアムカーフって呼ばれることが多いですね。
もう1つはヌメ革に筆などを使って着色し、ムラ感を表現するもの。こちらは手染めとかパティーヌなんて言われたりします。
パティーヌの靴については、のすけ も経験ありますけど雨に降られるとめっちゃマダラになります。
それどころか、クリーナーはもちろん、下手したらデリケートクリームでも色落ちするんで、ケアの基本はちょい薄めのクリームになります。
ミュージアムカーフについてはしっかり染まってる印象なんで、ムラ感を活かすためにデリケートクリームとかの無色のクリームでお手入れしちゃって大丈夫です。
牛革以外の革
今まで紹介してきた革は鞣しの種類や仕上げの種類は違えど、素材としては牛革を使うのが一般的です。
ただ、牛革以外の革も意外とたくさんあります。
コードバン
農耕馬の臀部の皮をタンニンで鞣し、床面の下にある繊維層を寝かせて仕上げた革です。要は馬のお尻の革です。
床面を表にしているので、実は起毛革の一種です。ただ、コードバンは牛の床面に比べて非常に密度があり、細かい針山みたいになってるらしいです。その針山をローラー等で無理くり寝かしつけたものがコードバンの正体です。
ただ、コードバンになるかどうかは鞣してみないと分からないらしく、しかも最近では農耕馬自体が減っているようなので今後はますます貴重な素材となることが予想されます。買うなら今ですよ。
コードバンの特徴としては、革の宝石とも称されるほどに美しい光沢と大きくうねるような皺です。
ただ、基本的には水に弱い素材なのでその辺は注意が必要です。
バックスキン
牝鹿の銀面を起毛した革のことです。バックと言うことから一般的なスエードやヌバックと混同しがちですが、それらよりも毛足が短くキメ細かいのが特徴です。
昔は革靴のアッパーとしてよく使われていたようですが、現在ではあんまり見かけませんね。理由はよく分からないんですけど。
また現在では牡でも牝でも鹿の革だったらディアスキンってまとめて言うケースも多いみたいです。
ロシアンカーフ
カーフと言っていますが、トナカイの革のことです。寒い地域に生息している動物だからなのか、肉厚で傷に強く、耐水性にも優れる革のようです。
ただ、ロシアンカーフは現在では製造されていない革になります。
その昔、ロシアで作られたものを運んでいた船が沈没してしまい、その後しばらく経ってから偶然引き上げられたものが、現在流通しているロシアンカーフです。
その製法は既に失われてしまったようで、船から引き上げた僅かな物しか現存しないという貴重な革になります。
鞣してからかなりの時間が経っているので、硬くはあるようですが、独特な菱目状の型押し模様と希少性からビスポークシューズでは非常に人気の素材です。
またJ.Mウェストンのロシアンカーフのように、この革を模したものも多く開発されているみたいです。
エキゾチックレザー系
クロコダイルやリザード、シャークスキンなどの爬虫類や魚類などの原皮を鞣した革のことです。
カーフなどの哺乳類の革と比べると、表情が独特すぎるので好き嫌いがハッキリ別れる素材だと思います。
また素材自体の希少性も高く、見た目的にも仕事用には使いづらいので、そもそも靴のアッパーに使われることが少ないです。
というかエキゾチックレザーの革靴履いてる人を見たことありません。刃牙の花山くらいです。
ただ他とは一味も二味も違っているので、好きな人にはタマラナイ素材だと思います。たぶん。
まとめ!
ようやくこのシリーズも終わりました。
今さらですが、ザッと書いただけなのであまり参考にならないかもしれません笑
むしろ色々調べながら書いてたんで、自分の勉強になったっていうのが1番な気がしてます。
1回目、2回目はこちらからどうぞ。
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