前回の記事でも書いた通り、運命により のすけ のもとにやってきたJMウェストン(J.M.Weston)の344ワンピースオックスフォードをレビューしていきます。
ウルトラなだけあって、正規価格もウルトラですがその品質も間違いなくウルトラな一足です。
ちなみに、前回の記事ではカサカサの状態だったのですが、日本橋三越の中にあるシューケアマイスター工房日本橋店さんでシューケアしていただき、見事に復活しました!

ウルトラウェストンとは!
“EXCELLENCE WITHOUT LIMITS(限界を超えた卓越性)”をテーマに、2017年9月よりスタートしたコレクションです。
もともと、創業者の息子であるユージェーヌ・ブランシャールが20世紀初頭にウルトラ・シュー コレクションというものを始めたようです。その後どこかのタイミングで途絶えていたものを、当時のアーティスティック・ディレクターであるミッシェル・ペリーが現代に蘇らせたのが、今日のウルトラウェストンです。
なんとなくJMウェストンの中でも上位モデルのような位置付けなのだと思いますが、どこがどう上位モデルたる所以なのか、といった詳細はよく分かりません笑
ただ、コンセプトは「エレガント」のようで、兎にも角にもめちゃめちゃエレガントなコレクションラインだということは分かりません。ゴルフやハントと同じブランドの靴とは思えないほど、美しい流麗なラインのモデルが展開されています。別ブランドといっても差し支えないレベルです。
またウルトラウェストンの特徴として、ゴールドのブランドロゴとバーガンディのインソール、Wの飾り釘が配されたインソールが挙げられます。これがまたエレガントなんすよね。マジオシャンティー。
ちなみに、JMウェストンというブランド自体についてはゴルフの記事を要チェックです。
JMウェストン 344ワンピースオックスフォードのレビュー!
まずは簡単に344の紹介です。

デザインはホールカットです。ブローギングなどの意匠は一切施されていない、シンプルかつオーソドックスなデザインです。そこに7アイレットと平紐なので、クラシックな印象を与えます。

アッパーは黒のタンポナートカーフです。この辺の詳細は後ほど。
サイズは7Cです。のすけ のゴルフは6.5Dですが、実は7Cがマイサイズだと秘かに思ってるので、ゴルフと同じくらいのサイズ感でしょうか。ただ、ゴルフみたいにギチギチのサイズから馴染ませる、というような木型ではないので、普通のドレスシューズと同じフィッティング感で選べばいいかと思います。
木型は製造番号を見る限り「S1」という木型かと。
そして製造年は2017年です。2017年てウルトラウェストンの展開が始まった年じゃないですか。つまり最古のウルトラウェストン。そりゃアッパーもカサカサになりますわ。

ウルトラな木型!!
ウェストンの木型に関する情報ってどこにも出てないんですけど、344の木型は前述の通りおそらくS1という木型です。名前これで合ってるのかしら。まあでも名前なんて所詮は記号ですから。大事なのは本質ですよ。
さて、この木型の初見の印象は、めちゃくちゃエレガントで流麗なフォルムということ。本当にゴルフや180と同じブランドが開発した木型なのか?と思うくらい、美しい木型です。

前面あるいは上部から見ても十分に美しいのですが、その美しさは横から見た時に最も顕著に表れます。
グッと抑えられた一の甲から、なだらかに立ち上がる二の甲までのライン。テーパードヒールからそのまま立ち上がるような踵のライン。そして、一切の装飾を排したデザインがそのフォルムをくっきりと浮かび上がらせ、この上なく美しくエレガントな靴たらしめています。


また木型の設計思想も明らかにゴルフなどと違い、所謂ドレスシューズのバチッとしたフィッティングになっています。

とくにカカト周りは のすけ 史上トップレベルのフィット感です。試着段階では、カカトに食いついて離さない固い意思を感じるレベルです。

個人的No.1のKOKONに迫るレベルです。むしろ並んでるかもしれません。
惜しむらくはバチバチのフィッティングすぎて、馴染むまではカカトが削られる予感がビンビンなことです。絆創膏のお世話になるかもしれません。
そして個人的にポイント高いのが、靴の中心線が内側にズレていること。

木型のねじれが〜とかよく言いますが、最近はねじれ云々よりも中心線が内側にズレている靴のほうがフィット感高いと思ってます。感覚的な問題ですが。
履き心地の詳細なんかは、しばらく履いてみて改めてレビューしたいと思います。
タンポナートカーフ!!
前述の通り、アッパーは黒のタンポナートカーフです。
タンポナートとは、染料を染み込ませた綿などでポンポンと叩きながら色付けする技法のことを言います。タンポナートは「ポンポンと叩く」という意味らしいですよ。
黒とは言いながらも、所々にムラ感があり見た目としてはグレーっぽい雰囲気です。

ちなみに、現行モデルだと黒はボックスカーフが使われているようです。こちらは2017年のコレクション開始時のものと思われるのでタンポナートカーフが使われています。
ウェストンといえば革質の良さに定評があるブランドですが、こちらのタンポナートカーフもなかなか期待できるんじゃないかと。

ただ、個人的には現行ゴルフなどに使われているボックスカーフのほうが好みの革質かもです。なんていうんでしょう、ボックスカーフのほうが革の内面からじんわりと光るような雰囲気があります。
でも、タンポナートカーフはボックスカーフよりも繊細な雰囲気なので、ウルトラウェストンのエレガントな木型にはタンポナートカーフのほうが似合うんですよね。タンポナートカーフも十分に革質は良さそうですし。
履きジワもボックスカーフとは違った雰囲気になりそうなので、今後はその辺も楽しみですね。
その他、細かいディティール!!

ここからはウルトラウェストンに関する、細かいディティールなんかを一挙にご紹介します。
まずはソールから。といっても、普通にシングルソールのチャネル仕上げですけど。

特徴的なのはトゥのW字の飾り釘でしょうか。この意匠はウルトラウェストンだけらしいです。なかなかかわいいですね。

そしてウルトラウェストンの特徴といえばもう一つ、ゴールドのロゴとバーガンディのインソール。

これが地味にかっこいいんですよね。金文字 × バーガンディのインソールって組み合わせも、黒靴 × バーガンディのインソールの組み合わせもかっこいいです。つまりバーガンディのインソールは正義。
そしてこちらがシューツリー。

こちらは344専用とかっていう話ではないんですが、モデルチェンジ後の新しいものだったのでなんとなく紹介しました笑
ちなみにアウトレットのウェストンでは、344に合うシューツリーは取り扱ってないとのことだったので、こちらは青山店で購入したものになります。アウトレットで他のシューツリーは取り扱ってるのかもしれませんが、行く予定のある方は要注意ですよ。
まとめ!

JMウェストンが本気を出したコレクション、ウルトラウェストンから344ことワンピースオックスフォードのレビューでした。
エレガントの権化という外見、バチバチのフィッティング、ムラ感の美しいアッパー。こんなん最高すぎません?
なんで現行品はボックスカーフにしたの?絶対タンポナートカーフのほうが合ってません?
ただ、それでも既製靴としては間違いなく最高峰の完成度を誇る一足だと思います。お値段もなかなかのもんですが。
色々グダグダと書いてはいるものの結局言いたいことは、めちゃめちゃエレガントでめちゃめちゃかっこいいということです。しつこいようですが。ほんとに一人でニヤニヤしながら眺めちゃいます。マジで美しいんですよね。
肝心の履き心地のなんかはまた詳細をレビューしますので、乞うご期待!
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