前回の記事でも軽く触れた通り、暫定アガリのストレートチップであることは確かなギルドオブクラフツのブラッキー。
色んな意見もあろうとは思いますが、個人的には日本最高峰の既製靴の一角であることは間違いないかと。それだけ完成度も高く、テンションも上がる一足です!!
Guild of crafts(ギルドオブクラフツ)とは!
ギルドオブクラフツは1996年に靴職人の山口千尋氏が設立した、ビスポークを中心としたシューブランドです。
今でこそ多くのビスポーク靴職人が日本で活躍されていますが、20年以上前から活動されているギルドオブクラフツは日本のビスポーク界の先駆けといえる存在です。
また代表の山口氏はギルドオブクラフツと併せて、サルワカ・フットウェア・カレッジという靴の学校も運営しており、後進の育成にも力を入れられているとのこと。
まさに日本の革靴界におけるパイオニア的存在です。
ギルドオブクラフツでは現在、Ready To Wear(既製)2モデルとMade To Order(パターンオーダー)2種、Last Holder(ビスポーク)4種が展開されています。元々ビスポークブランドだけあって、メインはやはりビスポークという感じですね。
ちなみに店舗は2021年3月までは銀座にあったのですが、5月以降は浅草の工房に併設する形で営業されるそうですよ。
Guild of crafts Blackieのレビュー!
まずは簡単にBlackie(ブラッキー)の紹介です。
デザインは内羽根のストレートチップです。キャップトゥも大き過ぎず小さ過ぎず、絶妙なサイズ感。スワンネックなどの意匠もない、シンプルなストレートチップですが、シンプルであるが故に全体のバランスやラストの完成度の高さが際立ちます。
こちらのブラッキーですが、オーダーではなく既成ラインの製品になります。ギルドオブクラフツではこのブラッキーと内羽根セミブローグのRobinson(ロビンソン)が既成ラインとして展開されています。
アッパーはアノネイのボカルーが使われているようです。パッと見の感じでは繊細なシワが入る気配がビンビンです。履き下ろしに乞うご期待です。
サイズは7.5のComfort Fittingです。いきなりComfort Fittingとか言われても困るかもですが、この辺の詳細は後述しますんで、そんなもんかと今は思っておいてください。
ギルドオブクラフツが満を持して生み出した既製ライン!!
先述の通り、ギルドオブクラフツは基本的にはビスポーク、ハンドソーンウェルトのブランドです。
そのギルドが設立から20年以上経て、2017年に発表したのがグッドイヤーウェルトによる既製ラインです。当初はブラッキーのみだったのですが、しばらくしてロビンソンも展開されました。
日本の革靴界におけるパイオニアが20年蓄積したデータを元に、細部までこだわり満を持して発表した既製靴。
これを日本最高峰として言わずなんとする!!
木型もパターンオーダーのものを流用するのではなく、1から見直したというあたりにプロの矜持を感じます。かっこいい。
木型はComfort FittingとNarrow Fittingの2種類あり、Comfortは2Eウィズ程度、NarrowはE-Dウィズ程度になっています。
ただ、単純にウィズ違いっていう話ではないようで、各部の形状やバランスを調整されているようです。たしかにComfortとNarrowを見比べてみると二の甲の立ち上がり方とか違うんですよね。こだわりヤバイなって話ですよね。
全体的にコンパクトに作られているようで、ゆとりを持たせるべきところはちゃんと余裕があります。でもやっぱりフィット感高めるところはちゃんとコンパクトになってます。最高かよ。
見た目の美しさと足の形状に合わせた快適性を両立させることを目指してつくられた木型ということですが、まさにその通りの木型です。
ソールはヒドゥンチャネルでフィドルバック仕様です。ソールのメーカー?、ブランド?は明言されていませんが、良質なものを選定したようです。たまにはスチールとかも付けず、そのまま履いてみようかなと思わせる美しさです。
サイズは7.5のComfort Fitting!
前述の通り、ギルドの既製ラインにはComfort FittingとNarrow Fittingの2種類がありますが、今回は7.5のComfort Fittingをチョイス。
普段の感覚でいけば7.5のNarrow Fittingを選ぶところですが、こちらの記事でも書いたとおり最近はタイトフィットを見直してるもんで。ちなみにComfort Fittingだと何回か履いたら羽根が閉じることは確実なんで、そのうちインソールとかでの調整は必至です。
でもギルドでは専用のインソールを用意されてるとのことなんで、それはそれで楽しみだったりします。
ComfortとNarrowの違いですが、大きく違うのは一の甲の幅と高さくらいだと思います。試着した時の感覚ですが。
踏まずやカカトのフィット感は同サイズであれば、ComfortでもNarrowでもそんなに違わないんじゃないかと。他ブランドとかだと同サイズでもウィズ変えるとこの辺のフィット感も変わることが多い気がします。さすが木型にこだわってるだけありますね。
つまり、Comfortだと踏まずやカカトのフィット感はそのままにボールジョイントとかはゆとりが出て快適!ってな感じです。最高です。
ちなみに8.0のNarrowも試着してみましたが、こちらは全体的にゆとりのあるフィット感でした。好みに合わせてサイズ感チョイスできるのはありがたいですね。
純正シューツリー!
なんとギルドの既製ラインには、木型削り出しのシューツリーが付属してます。いわゆるラステッドシューツリーってやつです。嬉しい。
しかも名門スプリングライン社による製作です。スプリングライン社製作のラステッドシューツリーが付いてこの値段って冷静に考えても最高です。
木型削り出しだけあって、シューツリーを見ると木型の完成度の高さがよく分かります。美しい。
正面から見ると木型のねじれ具合もよく分かります。
靴にピッタリすぎるし、ねじれてるしで靴から取り出すのも一苦労ですが、その分シワの伸び具合はバッチリです。
まとめ!
ギルドオブクラフツが満を持して生み出した既製だけあり、めちゃめちゃ完成度の高い一足です。
なんかもう美しすぎて履くのがもったいないレベルです。でもこの木型の完成度の高さを考えると履かなきゃもったいないとも思います。どっちにしろもったいない。
そもそも自分がギルドの靴なんて履いていいんだろうかという葛藤も少しだけあります。まあ少しだけなんで普通に履いちゃいますが笑
なんならもう履き下ろす日は決まってます。むしろその日の為に買った靴です。
そのへんは近日公開予定なので乞うご期待!!
追記:履き心地のレビューは↓からどうぞ。
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