前回はHAN SHOEMAKER(ハンシューメーカー) のトランクショー参加レポートでしたが、今回いよいよ実際に届いた靴のレビューです。
めちゃめちゃいい靴なんで、皆さん財布の中身を確認してからご覧ください。
HAN SHOEMAKERとは!
グッドイヤーウェルト製法によるMTOを中心とした日本の革靴ブランドです。
詳細は、以下記事をご覧くださいませ。
一言で表すと、静かに美しい靴です。
HAN SHOEMAKER セミブローグのレビュー!
まずは簡単に紹介です。
奇をてらわないオーソドックスなオックスフォードのセミブローグ。ノーズの長さ、キャップの面積、レングスとウィズのバランス等、個人的にはすべて完璧なバランスです。
トランクショーに行く前は、オックスフォードのセミブローグかタッセルローファーのどちらかで迷ったのですが、実物が美しすぎたんでセミブローグとなりました。ローファーも木型含めめちゃめちゃ魅力的だったんですけどね。
アッパーはゾンタのダークブラウンです。ワインハイマーのブラックとも迷ったのですが、カドガンと被るのを避けダークブラウンに落ち着きました。
ゾンタのオールドイングランドは初めてですが、きめ細かくツヤとコシのありそうな のすけ 好みのレザーです。これからどう育つのか楽しみですね。
サイズは7 1/2です。羽根の開き具合をMAXまで調整してもらいましたが、試し履きしたところほぼほぼ閉じてました笑。それでも全体のフィット感が高いため、履いてても気にならないかとは思います。
HAN02!
前回の記事の通り、HAN SHOEMAKERではラウンドトゥ、チゼルトゥ、ローファー用と3種類の木型を用意しています。今回のセミブローグはラウンドトゥのHAN02という木型。
一見、英国靴的ですが、トラディショナルな英国靴(エドワードグリーンの202ラスト等)に比べると、ややロングノーズでキャップの面積も大きめです。
初めて手にしたときは、ややモダンな英国靴的なシルエットという印象でしたが、しげしげと眺めているととても立体的で曲線的な木型であることが分かりました。造形美を感じます。
靴全体がうねっているというか、不安定さを感じるシルエットです。心がざわつく感じ、わかります?
横から見るとこんな感じです。
グッと抑えられた一の甲から、なだらかに立ち上がる二の甲まで、メリハリのあるラインでキレイにつながっています。惚れ惚れするほど美しい。
英国靴にありがちな野暮ったさを微塵も感じさせない流麗なフォルム。かといって、モダンになりすぎず、あくまでトラディショナルな革靴のシルエットを保っています。
正面から見るとこんな感じです。
極端に捻れてるわけではありませんが、靴の中心線が内側に寄り、外側は大きく削られています。なぜだかシュルレアリスムの絵が思い浮かびます。
そして後ろ姿ももちろん完璧。
ブローギング!
セミブローグということで、とりあえずブローギングもちゃんと見ときましょう。
まずはメダリオン。
ラムズホーンとも呼ばれる、伝統的なメダリオンです。他ブランドでも多く採用されているデザインですが、のすけ にとっては初めましてのメダリオンです。
親穴、子穴ともに小さめで間隔も詰まっていないため派手な印象は受けません。
引きで見てもブローギングの主張は控え目。
ピンキングも施されてませんし、パーフォレーションもゆったりとした間隔のため、上品な印象を受けます。我ながらアッパーをダークブラウンにしたのも正解だと思います。
シームレスヒール&キューバンヒール!
HAN SHOEMAKERではシームレスヒールとキューバンヒールが基本仕様です。
最高に のすけ 好みのお尻です。
きれいなヒールですよねぇ。ほっそりとしつつも立体感があるので、カカトによくフィットしてくれそうです。
キューバンヒールは、あまりテーパードが強くないので程よくドレッシーです。個人的にはもうちょっとテーパード効いてるほうが好みですが、セミブローグだとこれくらいがちょうどいいかもですね。結果オーライということで。
ヒドゥンチャネル&フィドルバック!
ソールはレンデンバッハのオークバークソール。
ヒドゥンチャネルが基本仕様で、ローファー以外はフィドルバックとなっています。たしか全面カラス仕上げもデフォルトだったかと。
ソールもキレイに仕上がってますねぇ。コバがやや張り出してることもありますが、ヒール側からみるとグッとくびれてるのがよく分かります。
ハンさんからはトゥスチールも提案いただいたのですが、「ドレスシューズにはトゥラバー」が のすけ のポリシーなので、とりあえずは何も付けてません。
ラステッドシューツリー!
オプションにはなりますが、ラステッドシューツリーも買えちゃいます。ただの純正ではなく、木型削り出しというところがポイントです。
なんかほんとに芸術品みたいです。美術館に置いてありそう。
横から見ると甲がめちゃめちゃ薄いです。
このまま飛び立ちそうなフォルムしてますよね。
正面から見るとこんな感じ。
いい形してますねぇ。ずっと見てられます。
シューツリー単体でも欲しくなるほど素晴らしい出来栄えです。唯一の難点は靴にピッタリすぎて出し入れしづらいことですね。
まとめ!
オーソドックスに見えて只ものじゃない、そんなHAN SHOEMAKERの革靴でした。羊の皮を被った狼みたいな感じでしょうか。
見れば見るほど美しさに惚れ惚れしちゃうんですよねぇ。しつこいようですが本当に美しいんですよ。部屋に置いとくと展示品みたいです。
フォルム的には のすけ 史上No.1ですね。柔らかな雰囲気も最高です。
そして何より製作者であるハンさんのお人柄にも惚れてしまいました。製作者の顔が分かるってのもいいもんですよね。
試着した感じ、フィッティングも期待大なんで履き心地についても後日レビューいたします。
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